歩花ハウスの設備システムイメージ図(東海大学高橋研究室作図)です。太陽熱温水器を貯湯槽へためて、床&天井放射暖房をする仕組みです。
そのシステムは長府のエネワイターを導入しました。貯湯槽と給湯器、太陽熱温水器の接続が1台にまとまっているところが魅力です。それぞれのパーツを各社から調達して組み立てることなども検討しましたが、こちらに落ち着きました。
屋根には太陽熱温水器のパネルが設置です。
こちらは、夏季の設備システムイメージ図。雨水タンクの水を冷却塔で活用し、床&天井放射冷房としています。夏季と冬季の切り替えは室内で手動で行います。
冷却塔へ常時雨水を送るにはできるだけ大きな雨水タンクの方がよいので、輸入商品の700Lのもので計画していました。探してみると、500L以上でスマートで見栄えの良い雨水タンクが無いことが分かりました。しかし、実際に現場へ導入するころに発注したところ、品切れ!工務店さんともども探しましたが、他の会社にも在庫が無い状態です。
農業用のタンクは安くて容量の大きいものが見つかるのですが、家の脇に置くには少々おさまりが悪い、どこにもなければこれしかないと思いつつ、大容量雨水タンクを探しました。
やっとありました。雨水タンク ウォーターセーバー WS-900A【受注生産】。受注生産?と思いつつ問い合わせたところ、在庫が1個だけあり、即購入へ。写真では、大きいのか普通サイズなのかよくわかりにくいので、
歩花ちゃん比較です。歩花ちゃんもこのプロジェクトが始まったころからはずいぶん大きくなりましたが、それでも雨水タンクの大きさは実感頂けると思います。防災水槽としても理想的です。そして、隣にある細長い箱は、お施主さんが冷却塔を設計製造してくれる方とつくった特製冷却塔なんです。
最上部にはファン。空気を送ることで、蒸発冷却を促進させます。
沢山ある配管へ雨水が上から落とされ、送風で蒸発し中をとおっている不凍液を冷やす仕組みです。
冷却塔、雨水タンク、貯湯槽の3点セットが設置されました。
家の北側におさまりよかったです。玄関脇なので、来客の方の目にとまります。この家の特性設備システムがお出迎えです。太陽熱を使った暖房と給湯。雨水を使った涼房。自然の可能性を引きだし、パッシブなシステムを導入した住まいです。
夏の終わりにやっと微調整が終わり稼働しだしました。2Fの床はほんのりとした冷たさが足に伝わってきます。最近は寒くなってきたので暖房運転へ切り替わっています。これから1年間生活してみることで、各季節での感覚や設備の使いこなし、測定データなどから様々なことが検証されます。折に触れ、お施主さんからの住み心地など季節の状況を伺えるのが楽しみです。