公共建築物や中大規模木造建築をよりよく実現していくための、木造化支援事業では、6年間に全国55団体へ支援した成果から得られた「公共建築物等の木造化・木質化へ向けた20の支援ツール」がまとめられました。また、木造は鉄筋コンクリート造や鉄骨造に比べて安いの?高いの?を検証した「木造公共建築物誘導経費支援事業」の報告書が公開されました。木造化のためになる二つの情報をご案内します。

1.公共建築物等の木造化・木質化へ向けた20の支援ツール


20の支援ツールは、6年間&55団体の成果のエッセンスをまとめ、木造化のプロセスに沿った集約となっています。地域の木材に関する調査から、組織のつくり方、木材品質の設定、設計者選定、木材発注方式、各種書式雛型、維持管理といった項目がまとめられています。まずは、流れと概要を理解してもらい、より詳しくは過去にまとめられた報告書等でさらに読み込める内容です。

まとめ資料の中には、支援後建設竣工した物件の概要も紹介しています。実際にどのような木造化の成果があったのか等を確認できます。

20の支援ツールは、各1ページに概要と関連データや参考資料が掲載されています。膨大なデータを1枚にまとめているエッセンスになります。初めて、木造化木質化へ取り組む方にとっては、情報量多く心配になってくるかもしれませんが、発注者、木材関係者、設計者、施工者、利用者、それぞれの役割分担があること。計画から竣工と運営のプロセスで時期に応じた取り組みが必要なことを理解いただければ、取り組みやすいことが分かります。

2.木造公共建築物誘導経費支援事業


木造で建設された保育園をベースとし、同じ内容の鉄骨造を再設計し、新たな単価を用いて積算、コスト比較した内容です。公共建築等で木造は、「高いからダメ!」と言われ続けてきましたが、本当なのだろうか?と言うあたりを検証しています。結果としては、「木造は鉄骨造より安い場合がある」ということです。
・鉄骨造に木造と同等の内装木質感をつくると仕上げ工事分、鉄骨造が高くなる。
・木造のような小さなスパンなどに鉄骨造を合わせると、鉄骨造が割高になる。
・小さいスパンであれば基礎は、鉄骨造が高くなる。などがあげらあれます。
求める建物に何を求めるか。ということが大切になります。また、構造方法特性に応じた作り方と用途の関係性もあることが分かりました。報告書のダウンロードはこちら。


それぞれのデータや、その他のデータは、木を活かす建築推進協議会HPよりダウンロードできます。ぜひ、ご覧ください。

これらのデータ作りに参加させていただきましたが、6年間&55団体の成果情報は、貴重で有益な情報です。しかも、年々、過去の情報をもとに各地で新たな情報へ更新されてきています。おかげで、年々より使いやすい情報にまとめられてきていることが実感できます。あとは、これらのツールを利用し、各物件ごとに、関係者が「地域の木材活用するぞ!」という強い思いを共有して取り組んでいただければと思います。

環デザイン舎では、会津での木造化支援やCLT化設計支援なども行っています。木造化どうすればいいの?というご相談も受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。

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環デザイン舎では、林野庁補助事業の木造公共建築物の整備に係る設計段階からの技術支援事業等に携わっており、木材・木造化ノウハウが蓄積されています。各種コンサルティング・コーディネートを実施しております。お気軽にお問い合わせください。

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