2019年9月19日に静岡県の林業振興課主催の木材利用促進研修会へ講師として参加してきました。全国的に木材を使おう!という気運が高まっています。より木材活用を推進するために、木材や木造に関する情報伝達の研修会が各地で開催されます。

木材利用促進研修会

今回の研修会は、静岡県内の市町職員の方や県の職員の方が対象でした。これから、各地域で公共建築を計画する際に、木造で建てる上で気になる、建築コストや効果・効用、メンテナンスなどのテーマで研修会が開かれています。その中で、私は、木造とS造とRC造の建設コストの比較について、話をさせていただきました。

まずはじめに、林業振興課の担当の方から、県内の取り組みと、森林環境譲与税の活用についてお話がありました。森林環境譲与税の活用方法のひとつに、今回のような人材育成があります。ぜひ、全国で同様の研修会が開かれ、木造施設の普及につながることへ期待です。

木造・S造・RC造コスト比較の話

公共施設の構造の違いによるコスト比較は、平成28年度と平成29年度に林野庁補助事業でまとめた内容があります。その情報をまとめることに関わっていたこともあり、内容の詳細も詳しいということで、今回講師としてお招きいただきました。

コスト比較の情報は、木を活かす推進協議会HPの「木造化・木質化に係るコスト比較」という部分から報告書等ダウンロードできますのでご覧下さい。

30~40名近い方が参加されています。やはり、コストのことは関心が高いです。今回は、コストを木造とS造、RC造で置き換えた場合の比較結果やどういう部分を注意して比較したか、各構造のコストに関わる長所短所などを説明しました。基本的には、木造は軽くて安い。ということが言えます。

その他に、単純な比較だけではなく、木造は、事業計画段階から設計、施工までのプロセス認識と関係者の体制づくりが重要であることも伝えました。このあたりは、約8年近く続いている公共木造技術支援事業の成果が活かされています。これらの内容も先ほどの木活協HPよりダウンロードできます。

続いて、PWAの功刀さんから、木造と鉄骨造のコスト比較モデルの話がありました。プレカット会社視点でつくることも含めたお話いただきました。

講演の後は、質疑タイム。今回の研修会を運営しているNPO法人サウンドウッズの安田さんが進行と質疑抽出下さいました。よく講演会の後は、なかなか質疑が出にくい場合もあるのですが、参加者の皆さんが意見交換しながら、質疑をまとめていただき、内容が深まる内容となりました。

質問は、メンテナンスコストの考え方や木造アドバイザーに関すること、発注に関することなどいただきました。どのテーマもそれだけでじっくり対応資料をお見せしながら話したい内容ばかりでした。

各県でぜひ、公共&民間木造・木材利用促進研修会の開催を!

森林環境譲与税の活用ということもあると思うのですが、最近、同様な取り組みが増えています。また、各県ごとに、木材や木造の利用を促進するための、木材・木造設計アドバーザーや窓口の設置が進んでいます。木のことを聞ける場所づくりと人材育成が必要になっています。そのためのノウハウづくりが、本年度各地で取り組まれそうです。木造技術支援事業でも同様な支援が取り組まれます。

私も次は、長野県で類似の話をさせていただく予定です。また、今まで関わらせていただいている、会津材活用研修会でも同様な取り組みを進める予定です。

木材活用を進めたいご担当の皆さん、ぜひ、環デザイン舎へお問い合わせください。各種情報提供、コーディネート可能です。

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