いわき市内で薪ストーブのある二世帯住宅の設計が始まりました。間取りがすっきり決まらないときは、断面も同時に考えることで、まとまることがあります。今回は、断面も考えることで、LDKが直線に並ぶ「I型間取り」「L型間取り」天井勾配の関係をスッキリさせることができました。

リビングの天井形状3案

前回の打合せで、住まい手さんと約6時間打合せし理想の間取りを追求しました。そのおかげで、LDKはL型配置が落ち着く。DKを南面させる。間取り以外の要望は、①リビング勾配天井。②大きな瓦屋根。③吹抜け階段。④薪ストーブ。実は、この四つは断面計画に大きく影響します。

まとまった間取りと断面の検討をざっくりしてみたのが、上の図です。屋根勾配をきつくすると、2Fの子ども部屋の窓が小さくなる所が難点です。
図左上:子ども部屋の開口優先するとリビング天井形状がガタガタ
図右上:子ども部屋とリビングを重ねないことでリビング勾配天井はスッキリ
図左下:リビングをフラット天井にすると2Fは関係ない。

リビングダイニングを3D化してみて室内の様子を確認です。図左上のリビング天井出っ張り案。天井面がガタガタしすぎて落ち着きません。

図右上のリビング天井勾配スッキリ案は、ガタガタがなくなり落ち着きました。

図左下のリビング天井フラット案。ワンルーム的な広がりある空間です。3案断面形状を比較検討することで、スッキリ勾配天井かフラット天井が良いこと確認できました。

天井と空間の区切り

前回の打合せ案に、キッチンが奥にあり、ダイニング、リビング、和室隣接するフラット天井ワンルームのI型間取り案がありました。しかし、住まい手さんは、ショールームなどで一体的な間取りがどこか落ち着かないと感じていました。だから、LDKが一直線にならぶI型間取りではなく、LDKがL型な間取りの方が落ち着くだろうと感じ間取りをまとめていました。

プランニングは寝かせて考える。間取りデザインのブログを書いた時【こちら】。一度つくったら、少し寝かせるとさらに良くなることを書きました。今回も寝かせて正解でした。住まい手さんはLDKのI型配列が落ち着かないのではなく天井がフラットですべての部屋がつながっていることが落ち着かないことに気づかれました。おそらく、築100年近い家屋での生活体験から、鴨居で区切られた和室の感覚がなじんでいる部分もあるのかもしれません。

断面構成の関係性を把握した上で、間取りを更新したところ、LDKはI型が見通しよく生活しやすい。リビングは勾配天井としてDKとは部屋の雰囲気を変える。階段室を吹き抜けとし、薪ストーブ煙突もからめて、また異なる部屋の雰囲気をつくる。という方向性がまとまりました。

好みをカタチにする。影響する部分を整理し、取捨選択していくと、この家だからこその間取りや断面ができあがります。今回は、2世帯の中心に吹抜け階段と薪ストーブがあり、回遊性率の高い暮らしやすい住まいとなりそうです。各部分の詳細検討に進みます。

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