住まいづくりの要となる、プランニング・間取りづくり。住まい手さんの思いを読み取り、各種条件を配慮しながらまとめあげるために、たっぷり打ち合わせに時間をかけます。今までご相談を受ける中で、「どうにもプランがまとまらない。」「思うように希望の間取りができない。」ということから、環デザイン舎でプランニングを進めることがあります。そこで、今回は、茶室のある住まいAYハウスのプランニングプロセスを事例として、どのようなことを考え、注意しながらプランニング・間取りづくりをしていくとよいのかをご紹介します。

間取り案にモヤモヤ

AYハウスの住まい手さんは、最初、某ハウスメーカーでプランニングを進めていました。しかし、数回打合せしたが、しっくりこないということで、環デザイン舎へ住まい相談いただきました。プランには、住まい手さんが要望する部屋などの要素は網羅されています。茶道、茶室の知識がない方がプランニングしているため、細かい部分が伝わらない。収納がほしいという要望からは、広いスペースに収納・押入を追加する感じがする。コストのことをすぐに言われる。などが、プランニングに対するモヤモヤ感へつながりました。

私がプランニング、住まいづくりで大切にしていることは、
①住まい手さんの思いを打ち合わせに時間をかけ、読みとく。
・好みのイメージを写真などで共有する。
・しっくりくる間取りをとことん打合せることで見つけだす。
・可能であれば、住まい手さんと打ち合わせながらプランニングを行う。
・3Dモデルを使いながら空間のイメージを立体的に確認する。
②最初は自由な発想で進め、案がまとまってくる中でコストも調整する。
・最初におおよその坪単価と仕様の確認は行います。
・プランニング中もいろいろと変化していくので、プランの骨格がまとまった段階でザックリ概算してコスト調整始めています。
③自ら経験し納得しながら図面をつくれるようにする。
・今回の茶室、茶道経験がないため、住まい手さんが言っている背景を理解しないと図面はつくれないと考えています。そのため、茶室めぐり、茶道稽古を始めました。
京都などへ茶室見学調査の様子はコチラ。
茶道教室の様子はコチラ。

茶室を主軸にプランニング案

●複数案間取りの可能性を確認することで理想の間取りを決められる

また、数案つくりながら打合せを重ねることで、茶室まわりは茶道具を収納しお客さんも想定した広い間取りが必要なこと。リビングダイニングと寝室は南側に配置し、風の流れよく光を取り込みたいということも分かってきました。プランを考えるときは、何案もつくることで、どの部屋がどの位置が良いかの可能性を一緒に検討していきます。

複数案を選ぶ過程で、住まい手さんはどの部分を大切にしているか、好みかを整理していくことができると考えています。だから、打合せが少なく、提示されるプラン案が少ないと、住まいづくりにつきものの「モヤモヤ感」が増してきて、楽しくなくなり、不安がつのります。

●間取りは決めなければ決まらない

間取りに正解はありません。家族の数だけ間取りはあります。ここで、注意しておきたい間取りづくりのコツは、様々な条件の中、「決める」ことを決める必要があるということです。二世帯などが難しいのは、両世帯の意見がまとまらない場合があり、プランが決められなく、いつまでも間取りが決まらない、家づくりが進まないということがあります。

敷地やコスト、工期など様々な条件で、すべて理想的にはいかないこともあります。しかし、一つづつ決めなければ、住まいづくりは、次へ進められません。そのためにも、複数案検討したうえで、納得しながら、一つづつ決めていくことが住まいづくり、間取りづくりの基本となります。

住まい全体のバランスを主軸に最終案

●プラン、デザインは少し寝かせて再検討すべき
プランニングに時間をかけることが良いのは、一度これでよいだろうとまとめたものを、少し時間がたった後に見直すと、やっぱりこうしようとなります。それで、案外いい方向に進みます。これは、経験的な流れです。先ほど、決めることが必要。と書きましたが、大筋は決める。その案をよりよくするために、寝かして再検討という意味です。
そこで、やはり、先ほどの案は、水まわりが出っ張っていること。トータルコストを考えると茶室まわりの面積が広く、住まいのコストバランス的にはどうだろう?ということになりました。検討を経て、プランがまとまってきたことで、次の段階としてコスト視点からもプランを見直すことができました。

●無駄を減らし、つながりよい間取りへ
茶道の先生に間取りのことを相談いただいたおかげで、茶室の向きを90度回転し面積を削減することができました。そのおかげで、水まわりがすっきりおさまり、かつ、シューズクローゼットも玄関脇に確保することができました。
一番最初のハウスメーカー間取りと比較してみると、
・各部屋のつながりが良くなり、風通しと採光良くなった。
・茶道しやすい間取りと収納量となった。
・収納と部屋の関係が良くなった。

プランがほぼまとまったら、各部屋の詳細検討、高さ方向、家具収納の詳細検討へ進みます。各部屋細部を検討することで、プランの修正も同時に行っています。

●プランニングの注意点
他の物件での経験も踏まえて、プランニングで気になることを紹介します。
最近気になるのは、部屋を区切りすぎ、部屋を何となく並べて廊下でつなげるプランはあまりお勧めできません。そういう要望のプランは別ですが、廊下を増やすことは、面積が増え、コストアップにつながる要因になります。廊下よりは、続き間、ワンルーム、建具で仕切れるような間取りにした方が、部屋を広く、可変的に利用できます。今後、このあたりの間取りづくりのコツも紹介していきたいと思います。

●プランニングのまとめ
今回は、AYハウスの事例をもとに、プランづくりのコツを紹介しました。「複数案検討の中から決めること。」「寝かせて再検討。」「無駄を減らしてつながり良い間取り。」ぜひ、より良い住まいづくり、間取りづくりにチャレンジしてください。

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