茶室のある住まいAYハウスに納品された杉板目の巾はぎ板。きれいな材料です。現場にサンプルとカタログもありました。石川郡浅川町の「わたなべ」さん。サンプルとカタログ見ると巾はぎ板で家具をつくりたくなります!早速、連絡をとり工場見学させていただきました。
巾はぎ板ができるまで
工場内には、仕入れた杉や檜の原木を板状にし桟積み。
はぎ板の厚みや幅に応じて製材し桟積み。木の乾燥にも段階があります。
材を巾はぎし、接着剤をつけプレス。こんなに大きな機械で巾はぎしているとは!
巾はぎした板を機械に通し表面を平滑にします。
巾はぎ板製品の完成。
工場では、巾はぎ板を使った机がつくられていました。持ちあげてびっくり!軽いんです。これは、巾はぎ材のメリット。持ってみないと分からない。木の板目と柾目両方で巾はぎできるので、板目をデザイン的に使い分けも考えられそう。
もともとは建具屋さん
わたなべさんは、元々建具屋としてはじまっています。先先代の仕事をまとめた本を見せていただきました。当時のTV番組にも出演し活躍されていた様子。建具の仕事は親方から弟子へ口伝が基本。だから、建具の仕事の種類が減るとそれだけ技が伝授されなくなる。紙などに描き伝えられたものが無いというのが残念です。
それでも今回製作中の建具を拝見すると、障子紙をつけるため用の桟や板戸の反りを抑える仕事の数々が伺えます。建具づくりは奥が深い。しかし、家づくりではコスト的に造作建具は入れにくいのが悩ましいところです。だから、部屋に応じてピンポイントでいい造作建具を使いたいところ。
巾はぎ板家具つくりたい
ショールームに展示中の巾はぎ板キッチンキャビネット。巾はぎ板の木目を見せる家具デザインが理想的。
個人的に一番つくりたいのが、この扉。巾はぎ板だけでつくるからシンプルで軽い扉。しかし反りの心配があります。そり止め防止の大手のデザイン勉強になります。
巾はぎ板は杉だけでなく、ヒノキでもつくれます。ヒノキの巾はぎ板で引き出し収納などつくると、開けた時に、杉とはまた異なる香りがいいですね。
住まいづくりのアイデアに巾はぎ板
住まいづくりでは、つくりつけの造作家具のご要望がほぼ100%あります。その際、どのような材質でつくるかは、毎回住まい手さんの好みや予算次第。福島県の県境にある「八溝杉」を使った巾はぎ板を使うアイデアもオススメ。
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