長野県へ「県産材利用推進セミナー」講師としてお伺いしました。今年の1月にもお招きいただき今回で2回目。県産材を使った建築・まちづくりをテーマにお話させていただきました。同時開催の県産木製品展示会では、魅力的な商品の出会いもありましたので紹介します。コロナ対策もあり広い会場でした。

県産材活用へ向けた地域ネットワークづくり

講演では、「地域ネットワークでつくる中大規模木造建築」と題して、近年、地域で木造化推進のための地域協議会づくりが広がってきていること、中大規模木造づくりの20のツール紹介、コストのこと、各地の事例紹介をさせていただきました。

平成23年度から関わっている、木を活かす推進協議会の木造化技術支援事業も気づけば10年。全国各地での支援を通して、課題や木造化のノウハウが整理されました。近年では、企画段階から木造化を進めることが最も効果的ということも分かってきています。本年度の支援7団体でも、木造化へ向けた地域のネットワークづくり支援が増えています。木造化支援の取組変化を改めて整理し、紹介させていただきました。

地元の方のお話を伺うと、他地域と同様な木造化が推進しない課題がありました。なかなか木造に興味を持ってもらえない。コスト高だと思い込んでいる。慣れたRC造やS造以外は設計したくない。

一方で、木造に「こだわりすぎ」た設計で割高になる課題や盆地的地形から材の搬出コストが他地域よりかかりやすいという課題も伺えました。

可能性として、県内発注はプロポーザル方式がメインになっていること。木造に意欲がある設計者選定がしやすくなりそうです。敷地が狭いことと構造が軽いという利点から、トラス木造で工場の建替えを地元工務店が取り組んでいる物件がるということ。無理しすぎないシンプルな木造推進が求められていることを感じました。

長野県産材の使ってみたくなる木製品

同時開催されていた、長野県産木製品展示会。サンプル見ながら各社担当の方から特色を教わると、カラマツ、アカマツなどのマツの強さを活かした製品の魅力実感。ぜひ、これからの物件に使ってみたくなりました。以下、木製品のご紹介。

林友ハウス工業さんの「カラマツT&Tパネル」。 木裏木表を交互に使うデザインが反りを抑えています。

第三木材さんの「赤松フローリング」。長野県ならではの唐松、赤松フローリング。木目と節のバランスが特徴的。力強い感じです。

TEORIAさんの「信州産の天然木ウッドデッキTEORIA WOOD」。30年以上の実績がある木製デッキ。他商品と比較してもいぶし臭さが少なく、外部利用したくなります。

齋藤木材さんの「唐松丸」。集成材にネーミングがつくとまた、違ったイメージになります。木製コンテナもあり、使い方によっては面白そう。

木曾アルテックさんの「」。木曾ならではの、漆。木部だけでなく、和紙などにも塗った製品は、独特な色と素材の質感の深みを演出してくれます。使ってみたい。

征矢野建材さんの「あづみの松フローリング」。

偶然なんですが、あづみの松フローリングをSYハウスのLDKなどの床に採用していました。お施主さんがいくつかのサンプルの中から、板幅が広いこと、木目や色味、硬さなどを気に入られました。

長野県には、スギ、ヒノキ、カラマツ、アカマツの4種類あるのが特徴と教わりました。樹種の特徴や地域性から、木製品の開発も盛んなのかもしれないと感じます。その土地に訪れてみないと分からない、発見できない木製品が国内には複数あるのでは?と感じる今日この頃。木製品を探す旅に出たいです。

長野県では、県産材製品を県外へPRすべく、県産材製品コーディネーターという位置づけができていることも発見でした。しかし、コロナの影響もあり、県外へPRしに出かけづらいというのが悩ましいとのこと。

更なる、中大規模木造建築の構造材や内外装材にもっと、県産材、国産材利用へ向けた情報取りまとめ&支援に取り組みます。

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