福島県二本松市と福島市で二日間にわたり開催された「第二回高校生未来サミット2019」へ建築の講師として参加してきました。サミットには、福島県内と大阪府内からの高校生が参加。建築・環境づくりの未来が楽しみになる、これからの業界の担い手となるであろう高校生との出会いがありました。

4つのテーマ

こちらが、開催広告。建築、エネルギー、自然環境、農業の4つのテーマから未来への提言を高校生がまとめるサミットです。福島と大阪の高校生の化学反応はどうなるのか?震災の経験がどうつながるのか?建築に興味ある高校生来るのだろうか?

広いテーマで、普段の仕事では経験できないようなプログラムです。どうなるのか、始まるギリギリまで、謎、不安がありました。

1日目、自己紹介とテーマ設定

1日目は、二本松で県内を見学してきた高校生とご対面です。自己紹介トークからでしたが、プロジェクターが無い!トラブルで想定外の展開にあたふたして始まりました。他の講師の方の話を伺うと、本当に広い分野を取り扱うこと実感です。

そして、建築グループの高校生とグループミーティングです。参加者は、高校1、2、3年生の男女6名。まず、驚いたのが、建築学科へ進む予定の3年生が参加してくれていること。まだ進路は確定していないが、建築や環境をデザインする分野を考えていることを聞けて、うれしくなりました。ITなどの分野が主流で建築業界へ進みたい高校生は少ないだろうという先入観はダメですね。

さらに驚いたのは、設計業界や建設業界の仕事のこと、材料やデザインのことなども質問してくれたことです。建築がテーマといっても、もっと概要的な話だけで、震災のことなどの経験的な話が主になるかと思ったのですが違いました。さらにうれしくなりました。ミニ建築授業みたくなり、高校生からの質問に対し、様々な実際の実務の話や事例を紹介しました。

例えばこんな質問ありました。「仕事は徹夜が多いのですか?」、「まちのデザインとは」、「断熱は先進的か」、「木とコンクリートどちらがよいのか」、「地方特有の建物とは、デザインとは」など。一つづつじっくり話したいし、前もってわかっていれば、関連する資料をつくりたくなる質問ばかりでした。

自分たちで考えたいテーマを聞くと、皆、デザインしてみたい、設計してみたい。という話が出てきます。いきなりで、短時間では難しいですが、こういう機会であれば、ぜひトライしてもらいたいと思いました。

時間は、あっという間に過ぎてしまいました。グループで住まいやまちをつくろう。というところでタイムアップでした。その日の宿泊は、農家民宿の「ゆんた」さんへ。農家民宿初宿泊です。農家の広間に寝られて快適でした。宿主さんから、開業のこといろいろ伺えて面白かったです。ここでは、違うグループの高校生と泊まったので、最近の高校生情報伺えました。学校では、将来の仕事のことを聞く機会や皆でディスカッションする時間はないということに驚きでした。

2日目、グループまとめと発表

まとめへ向けてグループ討議が始まりました。私はてっきり、自分も入って議論できると思い楽しみにしていたのですが、高校生だけというのが残念でした。高校生だけで考えるのがルールだったようです。

発表間際になると、各グループ話も白熱し、模造紙にまとめたり、パワーポイントにまとめています。

建築グループの発表テーマは「一生住める街」。こういうタイトルを考えたのかと、涙出そうでした。

内容は、住まいに必要な居住者に応じて必要な住宅の性能や防災面、コミュニティー面で必要なことを考えまとめていました。よくぞ、この短時間でこれだけの内容をまとめられたことに驚きました。そして、なにより、居住者や近隣者にたいする「やさしさ」を感じました。高校生いいですね。下手な情報入る大学生より、シンプルに、本質的な部分をついてきていることも感じました。もっと、高校生にも建築教育を!

その他のグループでも驚かされることがたくさんありました。解決策やまとめ方など。大阪と福島という異なる土地の高校生が出会ったからこそ、違いからの発見もまとめていました。この点が、このサミットのいいところだと感じました。

高校生の講師経験はないので、どうすべきか結構悩みました。しかし、仕事のことをきちんと話すこと、より具体的な話をすること、自分が感じたことを具体的に説明すること、よいところを評価すること、これからもっと知ってもらいたいところを評価することを目指しました。どのくらいできていたか不安ですが。そして、なにより、「好きなこと」を学び、仕事にして、これからの未来をつくってほしいことを何回か話しました。

これから自分の進路を考えていく高校生と出会えて、自分の進路を振り返り、刺激いただきました。そして、もっと、高校生へ、建築のこと、デザインのことなど伝えたくなりました。今までも、数人、個人的に問い合わせがあり、相談に乗ったこともありましたが、大人はもっと仕事のことを伝える必要があるのではないか?と思いました。

次があるのであれば、ぜひ、いわきの魅力的な人と食と建築と宿を体験しに来てほしい!

準備、参加の皆様、お疲れ様でした!

 

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