先日、会津若松で林業活性化講演会があり参加させていただきました。今回は釜石市と西粟倉村での取り組みについてのお話です。私は、中大規模木造コーディネートを行っているので、設計者や製材所の方などと議論したり、事例調査することはよくあります。しかし、森林組合や林業等行政の取り組みはあまり接することがなかったので、今回は非常に勉強になりました。

釜石地方森林組合の高橋さんからは、「地域に根付き魅力を発信していく地場産業としての森林業~集約化制御がつなげるもの~」というタイトルで講演いただきました。

お話の中ですごいなと感じたのは、森林組合が主体的に地域の木材を有効活用すべく様々な展開に取り組んでいることです。例えば山火事になって表面が炭化した丸太を「被害木を使おう」という活動により、建築のルーバーやトイレ公園、ベンチなどに活用しています。また、「木材流通協議会」として森林組合とともに製材所や加工場、販売窓口等との連携組織を作ることで、山から伐採されるA材をより有効に販売していく流れを作っています。その体制により木材グッズや木製品家具、建築材などができています。また地域性として釜石には製鉄所があるので、鉄と木による家具のプロダクツが実現しているあたりも魅力的です。広域的に地域の資源を活用し流れを作る。そして山の木をいかに有効に活用し、人材育成にも取り組む。継続性をつくるということが聞きごたえありました。

西粟倉村では100年の森林構想事業の解説を上山さんからお話しいただきました。西粟倉村はインターネットで検索すると森の学校などを始め、様々な興味深いプロジェクト等を知ることができます。今回お話を聞いて、なるほどと思ったのは100年の森林構想という大きな構想のもとに、山の木を調査して境界や樹木等の状態を明確にし情報をすぐに確認できるようになっていることです。情報が明確だと森林伐採の計画と実行もスムーズで、所有者から木(山)を引き受けて丸太を販売し所有者へ還元できる大きな仕組みをつくり続けていることでした。

山の木の所在を明確にし計画的に搬出できる仕組みが整っていることで、川中川下の各種プロジェクトがより良い形で機能していることがわかりました。またローカルベンチャー企業と村が共に地域資源活用・循環の大きな流れができているところがすごかったです。今回、時間が限らていましたので、次回は、ローカルベンチャーについてより詳しく知りたいと思いました。

今回お話を聞いた2つの地域は、山の丸太からいかに木材を利用する川中・川下までの流れをしっかりつくっているか。川上の体制構築、経済循環システムの構築の重要性。山(川上)、製材・加工(川中)、施工・消費者(川下)がつながる大きな流れデザインの大事さをあらためて学ぶことができました。私が関わるのは川中から川下の部分が多いのですが、やはり川上の山の部分が整っていないと川中川下がよりよく機能しない場合もあると実感です。かなり密度濃い話を短時間に2地域伺えたので、機会があれば、現地を訪れじっくり見聞き歩きしたいです。

 

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