木造公共建築実現のための技術支援事業が、本年度も募集が始まりました。本年度は、従来の支援と共に、木造と他構造(RC造やS造)とのコスト比較支援もあります。これから、地域の木材で中大規模の木造建築を建てようと考え、計画中、設計中の自治体の皆さん、ぜひ、ご応募ください。どのような手順で、木造化すべきか、木材調達体制の構築などを専門家や先進地からの講師等による支援を行っています。
昨年度の成果として3つの「木造化・木質化に向けた支援ツール」がまとまりました。木を活かす推進協議会HPよりダウンロードできます。【募集HP&過去の支援報告書ダウンロードはこちら】。以下が、3つの支援ツール概要です。
1.木造公共建築物等建設のための全体プロセス図
木造公共建築物等建設のための計画から竣工までのプロセス図です。【ダウンロードはこちら】。計画段階、発注準備・設計段階、発注・施工段階ごとに取り組むべき内容をまとめてあります。発注・施工段階では、一括発注と分離発注の二つの場合も掲載されています。それぞれの段階で何を取り組むべきか、また次の作業とのつながりなどを把握し木造化の事業を俯瞰し取り組むための目次図のようなものです。
2.地域材活用の中大規模木造建築物 実現の手引き
プロセス図をベースとし、各段階で何を取り組むべきか、その内容や意味合いは?ということを理解するために、「地域材活用の中大規模木造建築物 実現の手引き」がまとまりました。【ダウンロードはこちら】。初めて木造化へ取り組む発注者の方にも分かりやすいよう、概要編、解説編、事例編、資料編に分かれています。読み進めながら内容の理解を深め、実際に業務に利用できる、木造化・木質化へ向けた情報記入シートやプロポーザル要領、品質管理に関する書式等も掲載されています。また、先進的に木造化へ取り組まれている、山形県鶴岡市、熊本県、栃木県鹿沼市等の事例も紹介しています。
3.地域材を活用した木造化木質化のための支援ツール(平成27年度報告書第3章)
昨年度の事業報告書の「地域材を活用した木造化木質化のための支援ツール(平成27年度報告書第3章)」【ダウンロードはこちら】には、実際に発注者を中心とし、木材関係者や設計者などが集い、木造化木質化を進めていくための作業を行いやすいように取り組みシートがまとめられています。計画段階から竣工段階までの10のシートがあります。
たとえば、検討会で取り組むとよい内容をまとめたシートがこちらです。各地域の条件に応じてカスタマイズしながら利用できるのが理想的です。
過去、5年間のデータをもとに、より実務的に利用できるように情報をまとめてあります。今回、この情報をまとめる作業に携わさせていただきましたが、これらの手引きや取り組みシートが、本年度の支援先でどのように活用できるかが楽しみです。目指せ、地域材活用率UPです!