この二か月間の間に、私と妻の祖母(北海道といわき)の葬儀と私の叔父(東京)の葬儀がありました。各地の葬儀をたて続けて経験すると、しんどいところもありますが、お葬式のスタイルの違い、地域性を実感します。北海道と東京は近い感じがしますが、いわきの身内のお葬式は、初めての体験だったこともあり、あらためて地域性を実感しました。
私の知る範囲で、他の地域とかなり違うなと思う、いわきの葬儀形式。
①亡くなった場合、すぐにそのお宅へ「かおだし」という、自宅へ伺い、おまいりします。その時は喪服ではありません。そのため、家では、来客へお茶などの準備をする作業があります。うかがった方も、お茶や茶菓子などをいただき、しばらく滞在してから帰ります。そのため、身内がなくなったらすぐにそのための住まいの段取りをしなければなりません。自宅プレお通夜みたいな感じがします。同じようなことを新盆参りということで、お盆にはそのお宅へ伺うことをするので、盆の時期に準備が必要になります。
②次に斎場でお通夜、お葬式になるのですが、親族関係者は祭壇の前に座り、葬儀へ出席した方が座る席と対面するかたちになります。そして、来た方から順番に祭壇前で焼香していきます。その時に一人づつお辞儀をするので、一人づつに対し親族はお辞儀をします。いわきでは、知り合いの方も含めかなりの数の方が焼香だけにもいらっしゃるようです。そのため、親族は2日間お辞儀をし続けることになります。焼香の後、お坊さんのお経になります。お経の間に、焼香盆をまわすことはしません。
③お葬式が終わるとすぐに、お墓に納骨します。その寸前にはお寺の前で、お骨の周りを3回ぐるりと歩くということもしました。
④葬儀後の食事の精進あげは、持ち帰ることを前提にしたお膳という場合もあります。
なかなか把握しきれていないこともあり、妻に必要なことは適期聞いて動きましたが、以前から、いわきのお葬式は大変なんだと聞いていた意味がよくわかりました。しかし、自宅でかおだしということをした後にお通夜とお葬式に移る感じは、うらやましくも感じました。家でみとるというわけではないのですが、自宅で一度お別れができるということだからです。しかし、皆高齢化してくると、準備は大変です。けど、様々なつながりを感じることができる機会を維持し続けている、地域風土の力は、いわきならではなのかもしれません、人のつながりのあり方。
身近な親族が立て続けてなくなりましたが、たくさんの思い出、思い出話に感謝です。あらためて、生きていることのありがたみと、生きている間にできることをしっかりとやらなければならないと実感です。合掌。