歩花ハウスの二期工事の見積を共立建設さんへ送りましたよと、お施主さんへ連絡したところ。お施主さんから「寝室へ流動化処理土を使った蓄熱ボードを入れたいと思います。」と返信頂きました。「?」なんのことだと思ったのですが、以前、近くの研究室で流動化処理土を使ったものをつくっていて面白いんですよというお話を伺っていたのを思い出しました。見積を出した途端のナイスなタイミングで、次なる宿題です。
どんなものだかさっぱりわからないので、流動化処理土の研究をされている東海大学藤井研究室の学生さんの資料を送信いただきました。概要は、土とモルタルと水とビニロン繊維を混ぜて固めてパネル状にしたり構造物にするということでした。実際に建築物の一部として施工するには、張り付ける部屋の割り付けを考え、施工性を考え、型枠寸法など検討し、そこへ土モルタルのようなものを流し込み固めるということになります。コンクリートをつくるにはセメントへ砂と砂利を入れますが、セメントとその辺の土でよいところがリーズナブル。場合によっては残土の再利用になるのでエコということのようです。とにかく実物見ないとイメージわかないので見学させていただきました。研究室で代々作り続けてきた構造物です。
中の様子です。版築のような感じです。流動化処理土を積み上げ構造体になっています。梁というか母屋には鉄筋が入っていますが、型枠で部材をつくり、屋根パネルも型枠でつくり構成されています。
30センチ角のパネルをつくりビス止めで家具もつくれます。色合いが違うのは、土の内容です、白っぽい方には砂も入っています。この研究に関わっている学生さんにいろいろうかがうと、その辺の土といっても土により水分量などが異なり性質も異なるので、配合バランスに幅があるということを教わりました。途上国などで構造物を身近な素材でつくるときに役立たないだろうかという趣旨で研究されています。
面白いなあと感じる反面、歩花ハウスの2期工事で実施に施工するにはどうするんだ?と微妙な立場であれこれ話を伺いました。もちろん、お施主さんも一緒なので、安心です。そして、もしかしたらこれから一緒に実際につくることになるかもしれない研究室の学生さんもいてより心強かったです。
自分なりに整理し感じるのは、セメントと組み合わせる「土」の部分をどういうブレンドにすると、蓄熱体+αの性能を出せるかわかるとよいこと。その辺の土でどんどん施工できる「慣れ」システムができれば、ちょっとした構造物、倉庫のようなものはDIY感覚で普及しやすいのではないかということなどを感じました。
あとは、見積結果と実際のインテリア施工の実際がどうなるか、そしてもしかしたらの3期工事プロジェクト?!など、可能性の高い素材との出会いでした。