モノゴトのアイデアや発見、課題解決の瞬間っていろいろあると思いますが大切でうれしい一瞬です。企画を考えたりデザインや納まりを考えていて、無理なくストンと落ちる瞬間があります。そこがうれしくて生みの苦しみはあるけどデザインし続けている気がします。
歩花ハウス最大の難関でありお楽しみポイント「放射冷暖房システムの開発」お施主さん(ご主人)が自らリスクを負いつつも、負わないために、放射冷暖房ではつきものの「結露」対策をしばらくずーっと議論していましたがなかなか解決策が見いだせませんでした。
しかし、工事の関係上決めなければなりません。他の物件でご主人は「ファンコイルユニット」を導入することで、先に結露させることで配管の結露を抑えるという方法は実践されていました。
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こちらがよく天井に設置するファンコイルユニットの図です。図の熱交換器という部分で夏には空気を冷やします。その際に暑い夏に冷たい水を入れると表面が結露するように、熱交換器の表面でも結露がおこります。だから、その結露水を受けるためにドレンパンがあり、そこから配管で屋外へ結露水を排水します。よく家庭用のエアコンなどでも夏には屋外に水が流されているのと同じ状態です。
だから、最悪の場合というか検討中にはファンコイルユニットの中身の機器をダイニングの家具に仕込んでみようと機器を選定して納めようとしましたがやはりちょっと大きい。そしてなにより、そんな機械を入れてしまうというのは、当初から目的としている、大げさなシステムではなく、ちょっとアナログで、シンプルでパッシブよりのシステムという考え方からずれてしまいます。さーどうするか?生みの苦しみです。
そろそろ決めねばというころに、ご主人が九州から戻られてきたので、ちょうど現場へ行く日に時間を合わせて打合せをしませんかとメールを送ったところ、、
「まだ、家族が九州里帰りを楽しんでいて帰ってくるのが先なので、泊りに来ませんか?」とご連絡頂いたので、おじゃましつつ打合せになりました。しかし、お会いしてみると、一人の寂しさが漂っていました。はい、娘さんがいないおうちにはいつもではありえない静けさがありました。私も、写真を撮れない寂しさがあり、最近のブログには登場していない状態です。
しかし、その分しっかり打合せできます。と言いつつもビール飲みながらの打合せ?です。だんだん気合入ってきて、ビールを夜中に買い出しです。結露対策の話が、震災以降のエネルギーについての議論です。怒涛の深夜講義がはじまります。かれこれ数年来の学外研究生しています。本当にためになります。「パッシブとは大きな社会システムへの反発から生まれた思想ということが大きく、エネルギーのDIY的な意味合いを持つということ。」を教わりました。
いつも、パッシブシステムは魅かれる技術です。住い手がかかわり、調整していくことで活かされる繊細なエネルギーの利用方法なんです。その背景を教えて頂き、改めていいなあと実感します。かなりビール党のご主人と話込んでいましたが、それだけはしっかりと覚えています。
とりとめもない話をしつつも、パッシブの根源的な思想の話をしているところで、アイデアの神が降りてきました!コチラのブログで書いていたシステム図を見て頂くと分かりやすいのですが、各種熱源から、天井配管まで行く途中に、夏と冬に切り替えるバルブを設置しています。このバルブ切り替えというのも、自動センサーで切り替えるというブラックボックス化を避け、住い手がコントロールできるシンプルなシステムを目指していたのですが、この接続部分に露出する架橋ポリエチレン管があります。天井裏に設置したものと同じです。通常は断熱しますが、ほんのわずかな露出部分に結露センサーを設置すればよいというアイデアが生まれました!
なんのこっちゃ?と思われるのが普通ですが、通常であればその部分にメカニカルな制御をするシステムを設置する事例が大半です。今回は、配管からの水漏れなどを察知し「ブー」とお知らせ音を鳴らすだけのシンプルでローコストなシステムにたどり着きました。分かる人には分かる、かなり感動的な瞬間であり、やはりシンプルにローテクに考える思考は大切です。
そして後は爆睡。
九州から帰って来てからご主人、一人だと満足に朝食を取っていなさそうだったので、コンビニでビールと共に食材購入して急遽朝ごはんをつくりました。いつも奥さんに美味しいものつくって頂いているので、たまには私がつくってみました。さっそく、九州にいる奥さんへ写真を送っていましたが、、、
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別に、怪しい関係はありません、、、妻帯者ですあしからず。

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