先日の家ナビ住まいの相談会でお越し頂いた方の住宅調査へ伺いました。こちらは築30数年の2階建て住宅を断熱性能ある住宅へ建替えたいと考えている住まい手さんの住宅です。昔は農家だったということもあり、広い敷地の奥に住宅がありその南側には広く立派な庭がありました。広いゆえに手入れも大変なようです。ご家族にお話を伺うと、亡くなられたお父様は、兄弟が多く、家に集まることも多かったため、広いプランの住宅を建てたそうです。こちらの住宅は中廊下型で南に和室の続き間。奥に広い台所などがあります。お風呂も広く、ゆったりとしたつくりになっています。しかし現在は、家族が少なくなり、これほど広くなくてよいことと、おそらく断熱材が入っていないので、冬は寒いので暖かい家にしたいということでした。
玄関入って階段室を見上げると、独特なアール天井と高窓があります。なんともいい感じの光の演出と造形です。不思議な形だなあと思ったら、建設当時、階段が納まらなくなり急きょ変更したためこのような形になったようでした。住まい探訪で楽しみな点です。
最近、調査に伺う住宅で築30~40年代の住宅は、不思議とその当時、お父さんがプランニングした物件が多いことに驚きます。近年では、奥様がプランニングする割合が高いので、時代の変化を感じます。
①お父さんプランニングの時代(30~40年前)
・床の間和室と続き間があり、応接スペース的な要素が強かった。
・広く大きな住宅が多い、家族構成が多人数だった。商売をしていた。
・もちろん断熱材はなく、シングルガラスで冬寒く夏暑い家。
②お母さん&お父さんプランにングの時代(最近)
・広くワンルーム的なダイニングリビングと対面オープンキッチン。
・スモールコンパクト。4人家族が基本。プラスご両親。
・高断熱な住まい。
この差を活かして、建替えやリフォームを考えることが必要になってきます。
①建て替え(改築)の場合
・今の間取りをベースとしながら、どうコンパクトな間取りにしていくか。
・生活スタイルとしてリビングダイニングや水まわりの使い方・プランの継承や改善。
・ご家族や知人宅が新築したところへ遊びに行って気づいた点を活用。
②リフォーム(改修)の場合
・続き間の広い応接空間を家族のリビングダイニングスペースへ変更。
・既存のフレームを活かしながら断熱区画をつくる。改修範囲も区切る。
・建具や梁などを継承し意匠的に利用する。
以上のような、プランニングの傾向もあるような気がしています。