住まいと環境 東北フォーラムの研究集会「復興住宅の現状とプラスエナジーホームの可能性」(会員対象) がありました。以前から、参加させていただいている「涼暖ナビ」シミュレーションソフト開発の取組みの一環として、プレゼンテーションに参加させていただきました。
復興住宅の温熱環境や省エネ性能評価、建設コスト概算等ができることを目指して開発中の「涼暖ナ」ビソフトを使い、モデルハウスの仕様や開口部を変更させてランニングコストとしての光熱費、イニシャルコストとしての断熱気密施工費、15年後30年後のトータルなコスト比較などを行った内容を発表しました。
実際に同じ形状の2階建て住宅の、屋根の断熱性能UPがコスト的にも熱性能的にもよいことや、南側開口部からの冬季の暖房費削減につながることなどが、エクセルベースのソフトで非常に使いやすく、簡単に結果が見られることがソフトの魅力だと実感できました。
林先生の発表では、復興住宅の気密性能に関する調査報告があり、北のエリアは気密施工もしている割合が高いが、南のエリアは気密施工が低いことが分かりました。
本間先生の発表から、涼暖ナビの暖房や冷房の計算根拠のこと、ゼロエネルギー化やプラスエナジーに向けた方法や課題を教わりました。
柏木さんの発表では、設計した住宅実例をもとにした、シミュレーション結果と共にCCFD解析の結果やオリジナルの空調システム事例のプレゼンテーションがありました。興味深い事例でした。
会場からの意見や質問から感じたことは、温熱環境のシミュレーションソフトとなると、申請に使えるのか、どのくらい精度が高いのか?ということが共通して問われると思います。一方、先日地元の工務店向けの省エネ勉強会で聞いたのは、シミュレーションソフトをどうやって入力してよいか分からないということです。精度よくするには、入力項目増やすことになり、手軽に、ざっくりと判断する機会が遠のいてしまいます。復興住宅は急ぐことや、計画段階で入力しやすく、ザックリと光熱費や建設コストの概算ができるといいなという、考え方で涼暖ナビソフトが開発されているということが改めて確認できました。これから、まとめ等に取組みます。
最近、2つのソフトでシミュレーションの発表があったおかげで、熱環境シミュレーションイメージや伝え方などが改めて勉強になりました。次なるプロジェクトへも活かします。
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