バールを使って荒床をはがしてみるとそこには床下空間が現れます。
床下は土でした。昭和50年代ころの住宅は床土間にコンクリートを打つということがなかったので土が基本です。そして写真中央のコンクリートのブロックに束をたてて、床を張るというのが一般的なつくりでした。
その束石をよく見ていただくと、一本の筋が。これが「蟻道です」。シロアリが活動しやすいように糞や土などを塗り固めてつくった活動通路なんです。「やばい、白蟻いるよほんとに。」とおもうのですが、ここでこの蟻道を壊すのはやめておきます。なぜか?現場検証のため、白蟻駆除専門の方が来たときに崩してみてもらうことが大切なんです。
そんなに悠長なことをいっていてもよいのか?はい大丈夫です。シロアリはそんなに早く沢山木を食べられません。手前の荒床結構食べられていますが、おそらく10~20年かけてこれくらいです。
手前の荒床は局部的に軟らかくなっているほどシロアリに食べられていますが、写真をよく見て分かるように、束やネタは食べられた痕跡がほとんどありません。試しにバールなどでたたいてみても「コンコン」と乾いた木の音がして健全そうです。シロアリに食べられていたら、「サクサク」とスカスカな音がします。
シロアリは軟らかくて湿度や温度などちょうどよいところを食べ続けるようです。この中で床板や畳が歯触り良く軟らかく食べていったということです。
この状況から分かること!
よく、防蟻処理といって柱や土台などの造材へ薬剤などを新築時に散布しますが、シロアリにしてみれば硬い構造材は通り道で、食べやすい下地材などへむかうということもあるということです。
中古住宅とシロアリいろいろあります。こちらもどうぞ。
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