6年前に設計竣工した「あぐりエコステーション」へ久しぶりにお伺いしました。6年経つと建物の経年変化が見られる部分と変わらない部分がありました。変わるものと変わらないもののデザインを紹介します。
木製外部建具はグレーへ
倉庫入口の三枚引き戸は木製。建具の下の部分から雨のため鼠色に変色してきていました。木部は、再塗装をしない場合、少しづつ鼠色へ変色していきます。それでも6年くらいでは、地面から50cm程度の範囲だということも発見。
日に焼けるフローリング
杉無垢フローリングは、日に焼けてい色合いになっていました。竣工当初は、源平の赤白色が混ざった色合いでしたが、均等に茶黄色へ。杉圧密フローリングだからかもしれませんが、思っていたより表面のへこみや傷が少なく感じました。丁寧な使われ方されているからかもしれません。
土佐和紙はつよく変化なし
内装には、土佐和紙壁紙を貼っています。実は、一番驚いたのが張り合わせている接合部がきれいなこと。普通のビニールクロスだと経年変化で糊のはみ出た部分や糊跡が茶色く変色しがちです。しかし、和紙はきれいなまま。他の部分もすれた跡や破れた後があるかと思いましたが見当たらず、丈夫なことも発見です。
ビニールクロスよりは割高になりますが、左官屋や塗装よりは安くなるので、今後積極的に利用したい素材となりました。
変わらない自然通風と採光
この建物は、震災後に省エネエコ住宅のモデルルームにもなるよう計画されました。だから付加断熱もある高断熱仕様。木質バイオマス暖房などのも設置。写真の越屋根を設置しています。越屋根は採光を室内中央でも得やすいよう配慮。また、高窓を開けると自然通風が促進されやすくなります。
今回お邪魔したのは7月末で暑い日でしたが、フロアーの掃き出し窓と高窓を開けると風がスーッと抜けて気持ちよく涼しい。高断熱なのでさらに暑さを感じにくい気がします。環境の力を活かすパッシブな性能を発揮する建物のカタチは、最初にしっかり考え設計する必要あること実感です。
設計させていただいた建物に時間を経てお伺いできると勉強になります。改めて、設計頑張ろうと実感です。
「あだたらあぐりエコステーション」の竣工写真はHPからご覧いただけます。【こちらをご覧下さい】