2019年10月24日の台風により、市内浄水場が浸水しました。その影響で約2週間の断水生活を余儀なくされました。東日本大震災の時も、断水生活を約2週間経験しました。8年も経つと忘れていることもあり、当時どうしていたかを思い出しながら、断水生活を再トライしていました。もう二度と経験したくはありませんが、2度も経験したので、断水生活方法が今後参考になるかもしれないので忘れないうちに記録しておきます。
1.断水時に水を運ぶ方法
断水したら、給水所から水を運ぶことになります。ポリタンクを常備していればよいのですが、無い場合は、ペール缶や漬物樽、バケツにゴミ袋を2重にして水を運ぶのが便利です。この写真は、2011年の東日本大震災時の様子です。たっぷり水を確保しておけると、安心感がとても高まります。あと、気がねなく水を使えると、それだけストレスが軽減できます。トイレや洗い物、洗濯には、本当に水が沢山必要なこと実感です。水道局へ水を汲みに行って知ったのですが、水道局で水を運ぶための袋を無料で配布していました。水道局からは、給水所で組んだ水の賞味期限は3日というお知らせがありました。飲食用は、ペットボトルで購入した水(ネットや断水していない地域で買いやすかった)にして、生活水は運ぶ水に割り切ると、賞味期限を気にしなくて楽でした。
2.汲んできた水の移し方
水を汲んで運んだり、汲んだ容器から水を小分けするときに、10kg~20kgのポリタンクを持ちあげ続けていると腰を痛めます。そして、どんどん水を運ぶのがストレスになります。そこで、腰を痛めず、水を移しやすい方法を思いつきました。
①「ポリタン楽っく」等のキャスター付きのポリタンク移動収納具にタンク乗せる。
②注ぎ口側のキャスター2か所の下にすべり止めキャスターストップ(ゴム製)を置く。
③玄関や箱などの段差を利用しタンクからバケツなどの容器へ水を移す。
タンクに蛇口を付ける方法もあるのですが、今回の傾ける方法だと、注ぐのが早いこと、注ぎ口の高さを調整できることと、タンクの水平移動が便利です。
水を小分けする際に、一升瓶が便利でした。プラスチック系の容器だと、水に味が移るので、ビンはその点安心です。加熱殺菌もしやすい。また、一升瓶は普段利用しているので分かりやすいのですが、持ち運び、注ぎやすいということ。しかし、同時にじょうごを持っている必要があります。
普段利用しやすいものを使うことが、災害時に役立ちます。
3.断水時の洗い方・ふき方
①食器洗い
断水時、食器をラップでくるんで食事することで洗いものを減らせます。しかし、その方法を毎日し続けると、食事も味気なくなります。ストレス多い日々なので食事でリラックスしたいところです。そこで、断水時に便利だった食器洗浄の方法を紹介します。このスクラブクロスです。アマゾンで購入しました。スポンジと違い、洗剤や水を吸う量が少ないところや、ふきんとして利用して捨てやすい点がオススメです。また、洗剤は、霧吹きに入れ水で薄めることで泡立ちを減らし、洗浄水を減らすと便利でした。最後は、キッチンペーパーで拭いて完了。もちろん、食べ終わった後の食器は、ティッシュなどで拭いて汚れを先にとることが必要です。鍋は、フッ素(テフロン)加工してあるものがこびりつきにくいので、少量の水で洗いやすく便利でした。
キッチンにウオータージャグを置いて給水すると便利です。また、電気ケトルを片手に持って水を流すとちょうどよい大きさです。お湯も沸かせて便利でした。
②手洗い
手をふく、机などをふくのには、ウエットティッシュ類を多数、家の中に置いておくと便利です。もしくは、水で洗ったら、キッチンペーパーで、ふいて捨てる。タオルは、洗う手間を考えると使わない方向へ。
③洗濯
セスキ炭酸ソーダが、少ない水で洗濯できて便利でした。下着類だけでもバケツに入れ、セスキ炭酸ソーダと水を入れ一晩漬け洗い。洗濯機で脱水し、2回ほどすすげば、洗濯完了です。すすいだ水はトイレ用にします。普通の洗剤を使うより泡立たないので、水が節約できます。私は、ためた洗濯物(上着類)を、出張時に車に積んで、水の出る地域のコインランドリーで一気に選択しました。市内だと混んでいたためです。
④風呂
少ない水(お湯)で風呂に入る良い方法は、みつかりませんでした。結局は、水の出る地域の銭湯などへ行くのがベストです。しかし、毎日となるとおっくうになります。体をふくか、少ないお湯で洗うしかない感じです。その際の注意点です。今回は10月で肌寒い季節。寒い浴室で体拭いたり、お風呂帰りに湯冷めして、風邪ひく人が多かったという点です。湯冷め注意です。個人的には、打合せや出張に出かけたら、近くの銭湯などに立ち寄っていました。
お風呂に水をためて、追い炊きして風呂に入ろうとした人が多かったのですが、新しい給湯機ではできません。【詳しくはこちら】
4.その他気づいた点
・浄水場がどこにあるか知っておくとよい。今回、浸水地域に浄水場があったため断水したので。
・自分の家や職場の標高を知っておく。浸水しやすいかどうか。国土マップRというアプリは、地形や標高が分かりやすく便利。
・川がどこにあるか、水門がどこにあるか、どのように川の水が流れているのかを知っておくと、浸水予測できる可能性があるかも。
・台風が来るのであれば、車、PC、大事なものは、高台や2Fへ。垂直移動!
・震災の時は、放射能のことや、流通が異常だったので宅急便などでものを運んでもらうことができなかったので非常につらかったです。しかし、今回は、市内でも断水していない地域があったので、その地域で買い物したり、ネットで物資を注文すると優先的に配送してくれたりしました。
・食事、風呂、トイレが、なにかと大変です。断水だと、想像以上にストレスたまります。だから、週末くらいは、水の出る地域へ宿泊しストレス軽減がオススメです。水を節約しようと頑張りすぎると、反動でストレス溜まりやすくなります。
・断水時は、水が出ない以外は、床上浸水等していなければ、通常の社会状態です。そのため、被害にあっていない人たちと通常どうり仕事をしなければなりません。できるだけ自分のストレスを軽減しながら、業務を遂行できるよう自分をコントロールする必要があります。
・市内の災害情報は、今回は、フェイスブック情報が有効でした。地元の関係者の確かな情報を入手しやすかったです。震災の時は、twitterでした。大震災の時は、広域的な情報が必要で地元のAMラジオが有効でした。今回の浸水、台風関連の情報は市内の局部的な情報が必要なため、TVやラジオ情報は使えませんでした。災害の質により、情報入手方法と道具が異なることの知識も必要です。
5.被災していない方へ
・台風時、災害時にすぐに安否の連絡をとることを控えて欲しい。当事者は、雨の音やサイレン、地元の確かな情報入手などに神経張り巡らせています。そんな時に、安否の連絡返信は想像以上に負担になります。その時に確認できたから、どうなるのでしょう?連絡した人が安心・納得できるだけです。数日後、少し落ち着いてから連絡したり、当人のSNSを確認などがよいと思います。私は、返信手間を減らしたいという気持ちもあり、HPやSNSにできるだけ安否をあげるようにしています。
・昔は、災害情報等を知ったら、関連しそうな人へすぐに連絡するというのが、マナー(?)のようなものがあったかもしれません。しかし、被災経験者としては、すぐの時の連絡は不要と実感しています。少し時間を置いてから連絡を取るか、間接的に情報を得るということを、今後のマナーにして欲しいと思います。
・連絡をとるなら、支援できることを調べ、具体的に決めてからメッセージいただけると助かります。その際に、支援不要な場合は、返信不要と書いておくとよいと思います。
・デマ情報の拡散はひかえて。今回も、また、断水する、停電する情報が飛びかっていました。
最後に
幸い、今回の台風で自宅、職場共に浸水被害にはあいませんでした。浸水被害を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げます。