MAハウスでは、工事着工前の地盤調査結果より、地盤改良が必要と分かりました。そこで、新築建物が傾かないよう、「くし兵衛」工法による地盤改良を実施。地盤改良から基礎工事間を紹介します。
地盤改良「くし兵衛」工法
いわき市内は、地盤が軟らかいところが多く、住まい調査へ伺うと、家が傾いていたり、部分的に沈下し基礎にひびが入っていることがあります。地盤調査が義務付けられていない時代に建てた建物に見受けられます。地盤調査に関する法律解説などは、NPO住宅品質協会HPが参考になります。
地盤調査結果からは、基礎下に34か所の地盤改良が必要になりました。約30坪の住宅ですが、平米当たり1本くらいの割合です。
地盤改良は、「くし兵衛」工法を地盤調査会社が選択しました。調べてみると一般社団法人先端地盤技術グループというところが開発した工法です。土とセメント系固化材を混ぜ合わせるのですが、低コスト、時間短縮、高強度、高品質な工法。地中の支持地盤まで掘る先端がくし状になっていて、掘削攪拌しやすいところが特徴になります。名前だけみると、くし兵衛って、昔の人の名前かと思ったのですが、違いました。けど、なんとなく「くし兵衛さん、頼んだよ!」という感じにもなるもので。
基礎づくりプロセス
こちらが、地盤改良後、基礎をつくるために土を掘削(根切り)しているところです。手前の丸いコンクリートの塊が改良部分になります。言われてみないと気付かないものです。縁の下の力持ちならぬ、基礎の下の力持ちです。住宅の見えない部分ですが、きちんとつくらなければ後々困る部分になります。新築、リフォーム&リノベーション、どちらも工事着工前に地盤調査は必要なこと、予算がかかることになります。計画前には地盤調査!予算は、規模にもよりますが3万5千円~5万円程度で、調査と改良方法の提案までを専門会社へ依頼することができます。
根切り整地が終われば、砕石を敷いて、防湿シートの上に配筋を行います。そうすることで、地面からの湿気が上がってくることを防ぎます。職人さんが配筋している部分は、リビングダイニングの南側に設置する下屋の土間配筋です。屋外の犬走り的な土間ですが、しっかりと配筋しています。
べた基礎なので、配筋後はコンクリートを流し固めます。基礎の立ち上がりは土間が固まり次第コンクリートを流します。
基礎立上り型枠を組んでからコンクリートを流します。ところどころ土台や柱を繋ぐアンカーボルトなども設置。その立ち上がり部分を職人さんがコテで平らにならしています。職人さんの道具には毎回なるほどがあります。左官用のコテの先端を水平にカットし、基礎天端をならすための道具に改良していました。つくると道具、技のつながりを見るのが、現場通いの楽しみの一つです。
隣接する大紅葉が紅葉する頃。基礎の型枠が外れ、家のおおよその形が見えてきたところで、お施主さん打合せでした。あの辺がキッチンで、玄関でと、新居のイメージがだんだんと見えてきました。続いては、木造躯体の建て方に続きます。