2008年10月10日の開業から10年。
環デザイン舎は、10周年を迎えることができました。
皆様のおかげです。ありがとうございます!
前職、中村勉総合計画事務所に10年勤務し、独立を考えていた頃、郷里のいわきで妻が家業を継ぐことになりました。いろいろタイミング重なり、自分もいわきでIターン独立したのが10年前です。妻の家業は鉄骨屋で、自分は木造系な仕事をしていたこともあり、実家の家業とはまったく関係ない分野、知り合いのいない土地での独立でした。
移住の理由の一つは、気候がよく食べ物が旨い土地ということがありました。美味しいものを求めて、興味ある農業情報の収集をしているうちに、建築関係より農と食関係の知り合いが増えました。土地に知り合いが増えてくると、地域に根差す感が増えてきます。地域に根ざす建築家を目指す自分としては、楽しくてしょうがない矢先の東日本大震災でした。
知り合った農家、農業、福島の食をどうにかしなければと、異分野な取り組みも行いました。農と食の復興と共に、建物をなおす、つくる仕事が同時進行の日々を過ごせたことが、今を思い返すと、よかったと思います。普通ではありえない、たくさんの学びや出会い、気づきがありました。
開業当初は、「いわきの気候を活かした省エネパッシブ建築・住宅を設計したい。」「自分で畑で野菜をつくりたい。」「地域の魅力を発信したい。」「いわきならではのローカルデザインに取り組みたい。」ということを考えていました。10年前を振り返り、ブログをざっくりと見返してみると、徐々に実現できていました。出会いのおかげです。
これからの10年はどうなのだろうと、改めて考えてみました。10年の経験で、「地域でつくる快適で安心と納得できる住まい・建築づくり」、「地域資産としての木材を活かす木造建築づくり」、「地域ならではの農と食の魅力実感づくり」をより「分かりやすく」「伝える」「つなげる」ことが求められていると感じています。これからも、より一層「地域を活かす」よいモノづくり、関係づくりができるよう、技術や質を高めていきたいと考えています。
あと、30年くらいは現役で仕事したいと考えています。
基本デスクワークなので、きたせ農園仕事で体を鍛え、育った野菜で体をつくり、いわきの土地の恵みを吸収しながら健康維持管理し、出会いを大切に、地域の魅力を高める仕事に励んでいきますので、これからもよろしくお願いいたします。 北瀬幹哉