シンプル&コンパクトMAハウス。母屋に隣接する離れです。いよいよ工事着工へ向けて、離れの解体日が決まりました。新たに建物を建てる土地に既存の建物がある場合は、事前に地盤調査と既存建物の分別解体が必要になります。しかし、今まで使い続けてきた建物には様々な「思い出」があります。そして、これからの新しい生活への「想い」もあります。住み継ぎの起点となる解体着工前に、記念撮影へ行ってきました。

思い出ある解体前の建物写真も撮影します

離れは、母屋にお住まいのお母さんが、お琴の練習に使われていました。その前は、息子さんが進学するまで利用していました。息子さんのために、お父さんが約30年前に建てられました。お母さんにとっては、とても思い出深い建物です。それゆえに、MAハウスをこの離れをリフォーム、建て増ししてつくれないかという相談もありました。しかし、震災の影響と地盤沈下があり、建物が傾いていることから、地盤改良と建て直しを提案させていただいた経緯があります。

解体前に、お母さんへ、離れの記念撮影をしましようか?と提案しました。最初は、遠慮されていましたが、やはり思い出をとっておきたいということで、部屋の様子などを撮影することになりました。撮影日時を決めて伺ったところ、お琴などを用意いただいていました。使っていた時の様子がうかがえます。仕事柄、建物の写真はよく撮りますが、解体前の記念撮影は初めてです。いつも撮影する技術と道具があらためて役に立ってよかったです。

愛犬のマルちゃん。マルちゃんと一緒に記念撮影のリクエストが一番難航しました、、、動物の撮影は難しい!カメラを持って近づくと、うれしくなって近寄って来てしまいます。なんとか、離れの前で伏せてくれたところで一枚。この他にも他の部屋や外観など撮影させていただきました。

解体から地鎮祭へ

離れの解体が始まりました。今回の解体屋さんは、人数多い!あっというまに解体が進んでいます。解体物件が日程的に続いているため、次の物件へ向けて急がなければならないので人数増員しているとのことでした。工種によるのですが、解体工事は人数増やせて、日数稼げることが分かりました。写真中央の床柱には、チョークで「残」と記されています。お母さんが解体屋さんへ残してとっておきたいと伝えたからです。材料を残して、今後使うというのは、新築、リフォーム共にあります。以前設計したTTハウスでは、古建具や床の間框、カウンター材などを再利用したこともあります。

解体建物は教材です

解体現場は、貴重なリフォーム勉強の場になります。既存建物の構造躯体や下地材がどのような劣化をしているかを学ぶことができるからです。築30年代の建物はリフォーム&リノベーションの機会も多いため、参考になります。断熱材をはがしたところを見てみると、北側の壁面でもカビや腐朽している様子はありませんでした。ここ以外の解体現場も市内でいくつか見てきていますが、案外壁内結露で腐朽するということは少ない地域なのではないかと感じています。そして、30年前前後の建物は、建物によって断熱材が入っているものとないものがまちまちだという気もします。

基礎は、今回の震災で大きな割れなどは生じていませんでしたが、無筋のコンクリートでした。案外強いんだなあと思います。そして、土台を固定するためのアンカーだけは差し込むというのが当時の作り方だったことが分かります。あと、ほぼ同じ場所に新たな基礎をつくるわけなので、埋蔵物がでてこないか?などの心配、確認なども今回の解体時にできるところが利点です。

地鎮祭は雨にもまけず

地鎮祭の日程は、大安などで都合の合う日程できまります。今回は、ちょうど日曜日の都合があいましたが、あいにくの雨。しかも台風通過前日のため、微妙に風もあります。雨ですが、台風当日にはならなく、無事、地鎮祭を終えてよかったです。雨の日の地鎮祭のため、工務店さんが、テントとシートを準備してくれました。雨仕様のしつらえです。

神主さんに伺うと、台風が来るということで、地鎮祭が延期になったところもあることを伺いました。やっぱり悪天候では、地鎮祭はしないものでしょうか?しない方がいいのでしょうか?と伺いました。

神主さん曰く「もっと悪天候の中でも開催したことがあります。台風、強風で祭壇自体が吹き飛んでしまうことがあったり、大雪が前から吹き込み、祭壇と神主さんも真っ白になりながらということもありました。天候は関係ないですね。」と。祭事は、晴れというイメージが勝手にありますが、どんな天候でも可能だし、テント設置や祭壇を仮固定する方法などもあること教わりました。

祭壇へのお供え物は、お施主さんがこだわらなければ、工務店の方が代わりに準備してくれます。今回、大きな鯛も準備できていたので、事前に予約するのかと思ったのですが、前日魚を買いに行ったらありましたとのこと。さすが、いわきの魚屋です。

解体伴う工事着工前のだんどり

工事着工前には、近隣への挨拶や地鎮祭があります。この時どうすればよいか?お施主さんの心配ごとの一つです。これらの準備は、事前に工務店さんと、どのような内容にするか打合せます。準備やあいさつ回りは工務店の担当者の方がやってくれますので、ご安心ください。

今回の経験からは、個人的に、「解体建物の記念撮影」も工事着工前のお仕事の一環として行っていきます。もし、建物記念撮影をしたいなと思ったら、設計をやっている人種であれば、建物の写真を撮ることは慣れているとおもうので、着工前にぜひ、設計者へ相談してみてください。広角レンズなども持っている場合が多いので、スマホなどで撮影するよりは、隅々広く撮影も可能です。

工事着工前のだんどりを経て、いよいよ新築工事着工です。現場通いが楽しみです。

 

 

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