先月、長野県の高森町へ行く機会があり、飯田市にあるエコハウスを見学させていただきました。もう4年前になりますが、飯田市エコハウス建設のために開催された住まいの熱環境勉強会で伺ったこともあり、竣工後しばらく時間がたっているので、その後の性能や効果のことも伺いたいと期待が高まります。
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エコハウスの中では珍しくまち中に建っています。建物が分節され住宅スケール感をつくり、木製の雨戸などがまちなみをつくっています。手前の建屋にはOMソーラーを使った環境づくりがされています。
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一方、こちらの棟の方には、土間蓄熱を使ったシステムが設置されています。脇の小さな小屋が気になります、倉庫かなと?けどその前には、休憩スペースなどもつくりまちとのコミュニケーションデザインがされています。
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土間蓄熱棟の中へ入ると、自然素材を活用したインテリアと共にペレットストーブが設置されていました。残念なのは点火されていないので、暖房効果が体験できない点でした。
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吹抜け階段で2階へ。通りに面した大開口と障子。柔らかい光が室内に入り込み照明いらずのデザインです。夏は緑のカーテンができるスペースも用意されています。
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二階へ上がると天井高を抑えた空間があります。展示スペースです。
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天井を見上げると赤い管。これは、冬の暖房の暖気が上昇したものを1階の床下へ送るための吸気口です。
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1階へ降りてみると、家具に仕込まれたファンが床下へ送り込む仕掛けです。床下にダクトスペースがありますよということを伝えるガラス張りの床があります。このファンは夏は天井からではなく屋外から空気を吸う仕掛けになっています。夜間の涼しい空気を室内の床へ送り込みます。
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この床のたたきの下には配管が数本通っていて、冬は暖かい空気、夏は夜の涼しい空気を通すことで、蓄熱された床が暖房機能になったり冷房機能します。このシステムを住宅にと入りいれて使いこなされている方のお話を聞いて見たいです。案内していただいた方に伺うと、夏は日中でも本当に涼しく視察に来られた方が皆うらやましがるそうです。放射のひんやり感は快適です。
ペレットストーブの脇の扉から隣の室内の方へ移動すると、
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先ほど屋外から見た小屋部分の室内です。なるほどです。なぜ扉の格子がメッシュになっていたかの理由が分かりました。先ほどの床下の配管の空気はここで屋外へ排気される仕組みになっていたのです。
ぜひ、今度は夏の土間冷却体験してみたいです。飯田市のエコハウスは細やかな仕掛け、デザインがたくさんされていて、見ごたえたっぷりです。また、様々な仕掛けやデザインの意味を理解できるかどうかも問われている気がしました。同時に住まい手への住環境教育、住みこなし術も伝える必要性も感じます。勉強になりました。

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